「敗北宣言」をした自分にしか
できないこと

自分はユースカルチャーの軸には
なれない

ー話を聞くとそこまで積極的な前進という感じではないようだけど、今の会社に入って、GOOD VIBRATIONSという企画を立ち上げることになった経緯は?
 
関口:入社したときに、「ミュージシャンとして活動していたときのコネクションを仕事に役立ててほしい」って言われて。最初は覚えることばかりで手をつけられなかったんだけど、そこをやれるんなら自分で企画をやっちゃおうと思って提案してみたって感じだかな。自分でコンセプト考えて、企画名を考えて、ロゴとかデザインも、頭の中にイメージがくっきりあったら、自分でやったほうが早いなって思って、企画書を作った。もちろんブッキングも自分でやって。
 
ーなるほど。Vol.1のメンバーはTeen Runnings、Awesome City Club、そして髭の須藤さんのソロプロジェクトの3組を選んだと。どんな意図で、企画されたものなの?
 
関口:いくつかあるんだけど、その1つは「若手と上の世代を繋げたい」っていう思いを実現させる場を作りたかった。で、元々会社に入る前にAwesome City Clubのベースの松阪君と仲良くさせてもらっていて、Awesomeの音楽が好きだったから、Awesomeが出てくれたら良いなというのは漠然と思っていてね。声をかけたらいいよってなって。そこでイベントとしても音楽性の統一だったりとかを出していくというところで、「Awesome City Clubが誰とやりたいか」とかっていうのを聞いたら、須藤君の名前が上がった。
Teen Runningsは単純に俺がイベントの主旨とすごく合うだろうなっていうところで呼んだの。
 
『Lesson/Awesome City Club』
 
もう1つのコンセプトは、「ライブハウスではできないことをやる」ということかな。アーティストもお客さんも休日の昼下がりをのんびり楽しんで下さいみたいな感じにしたいなっていうのがあったから。だから別に座って寝ながら聴いていてもいいよって思っていた。うちが「STUDIO38」っていう東京の景色を一望できる会場を管理していたから、恵比寿ガーデンプレイスの38階から見える景色を見ながら、音楽を聴いたりのんびりできるような感じの空間にしたくて。イメージとしては、シアトルのKEXPのライブのアコースティックセッションとか。PichforkのTame Impalaの動画であるような感じ。場所柄大きな音は出しちゃ行けないから。バンドセットじゃなくて、シンセとギターだけで曲やったりと、何かそういう感じでできたら良いなと思った。
 
1回目のイベントが成り立ったのは確実にTeen Runningsのお陰だと思ってて。それはボーカルの金子君が、「僕ら緩くやるんでお客さん寝てても良いです」みたいなこと言って、本当にゆったりした時間が流れる中、裏で波の音をずっと入れながらパフォーマンスをやってたんだよね。それで本当に寝てたお客さん居たらしくて(笑)。「STUDIO38っていう会場の雰囲気をちゃんと楽しんでもらいたい」っていうGOOD VIBRATIONSのコンセプトが伝わるライブパフォーマンスをTeen Runningsがやってくれたから、その後のAwesome city clubと須藤君へと繋いでって内容的に成功したなっていう所があったなって。今の若いシーンはちょっと変わってきている感じとかあるから、それが実現できるんじゃないかって思って。共感した部分もあったから。
 
『GOOD VIBRATIONS vol.1 Short image video』
 
ー若い人達のことを新人類って呼んだり焦る一方で、共感している部分も少なからずあったんだね。心境が変化したきっかけみたいなものってある?
 
関口:Yogee New WavesとかYour RomanceとかNever Young Beachとか、あそこら辺の若い世代は「さとり世代」じゃん彼らは。 で、俺とかトミー君は1988年生まれで「ゆとり世代」でしょ? 世代で区切るのはあんまり好きじゃないけど、ただ、圧倒的に感性が違うと思うし、すごいなって思う部分も大きくて。悔しいから必死に若い世代に追い付こうみたいに思っていた。でも一歩引いてみてしまう自分がいて、「彼らと自分の感覚は違うな」「完全に彼らと一緒に何かをやるっていうのが難しいなって思って。