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ANANがPAELLASにおける自分の役割を理解しつつあると語る理由

photo1 赤裸々に今のバンドに対する思いを語ってくれたPAELLASのボーカルMattonのインタビューに引き続き、今度はギタリストのANAN君も交えて(never young beachのレコーディングの休憩中に)話をした。6年目にして何故PAELLASが加速しているのか。楽曲製作に没頭できている理由とは? そして“今一番インディーで忙しいギタリスト”がPAELLASにかける思いとは。

ネバヤンでステージに立つ経験が、PAELLASにフィードバックされている

ーANAN君はPAELLASが初めて入ったバンドになるんだよね。
 
ANAN(以下、A):そう。それまで1人でギター弾いてた。たまたま4-5カ月ぶりに開いたmixiのバンド掲示板で、PAELLASが募集していて、影響を受けているアーティストがThe HorrorsとかThe xxとかDeerhunterとか4ADのシーンとか書いてて。とりあえず、タワレコ難波で会って、お互い探り入れる感じで『どんなん聴くの?』みたいな(笑)
 
Matton(以下、M):まぁでもあれが1番分かりやすいよな。タワレコ行って、どんなのが好き?みたいな話すんの。俺はその頃インディーシーンにハマり出したばっかりで。ANANがめちゃくちゃ詳しくて、色々教えてもらったこと覚えている。
 
A:Toro Y moiとかWashed Outとかgirlsとかか。・・・でもgirlsは解散して以降、ソロを熱心に追いかけてないな。Washed Outもそう。ただToro Y MoiのセカンドUnderneath the Pineは今聞き返してもすげえカッコいいって思うけど。3-4年先を見越して作っていたんだなって思わせられた。全然チルウェイヴじゃないし。
 
M:こんな感じで、好きな音楽の話をして、すぐにセッションしに行ったんだよね。

 
 

ーその頃すぐに曲を書いてたりしたの?
 
A:当時僕はほとんどやっていないかな。「Following」をセッションで僕がコードで弾いたので、それで作ったくらい。そのあとすぐにアメリカに半年くらい留学に行ってしまったから。
 
M:最初のアルバム『Long Night Is Gone』があるけど、あれはANANがアメリカに留学行っている最中に作ったから、ビッシーと俺と2人でセコセコ宅録しながら作ったからな。
 
A:ぶっちゃけギターもそのときは全然弾けてなかったし。
 
M:そうなの?(笑)
 
A:うん・・・バンドもやったことなかったし、ギターは高校2年くらいからやり始めて。そのときはまだ初めて3,4年くらいで。買ってるギターもショボいし。

ーじゃあ本当に探り探りでやってたんだ。
 
A:そう。感覚だけで。技術とか全く関係なく。
photo1 ーアメリカ留学から帰ってきたあと、東京に上京したのはさっき話聞いたんだけど、そっからANAN君自身も結構変わった実感ある? never young beachのギタリストになったり、変化の渦中にいたと思うんだけど。
 
A:そうだな。曲作りにおいてはあんまり変わっていないんだけど、プレイヤーとしてはネバヤン(never young beach)に凄い成長させてもらっている。ギターが3本のバンドだから、フレーズを弾かせてもらっているし。
 
M:そうや。だから去年『こいつネバヤンのときのほうが良いな』って思っとったの。プレイヤーとして旨みが出まくっている感じ。これをPAELLASで活かすにはどうすれば良いんだろうみたいな話になったのを覚えている。だから、ネバヤンで活躍しているANANを見て、色を出すにはどうすればいいかみたいなことをすごく考えたりもした。PAELLASのサポートにDYGLの下中が入ってもらった時期とかもあったし。
 
A:そういう時期を経て、今自分がどういう形で色を出すこととか、そういう方面が得意っていうのが下中とやるなかで見えてきた気もする。だからすごく今、PAELLASのために何ができるか考えられてもいる。

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PAELLASで、キャッチーな曲を書くのが今の目標

ー最近のライヴを見るANAN君もMATTONと同じくらい歌う楽曲も増えてきているよね。あれは前に出たいという気持ちの変化があったりするの?
 
A:それは違うかな。ドラムのサポートが入って、バンドのグルーブが増していって。バランス感覚がよくなったというか、自分が歌ってもOKみたいな気持ちになったのかもしれない。「Tell me what to do」はたまたま歌入れの時に、Mattonが風邪をひいて声が出なくなったから、積極的にコーラスしだしたというのもあるけど(笑)
 
M:俺もメロが浮かばなかったんだけど、ANANが大元のトラック作ってきたし、「ちょっと代わりに歌ってや」っていったら、すごいいいフレーズができた。そういう意味では転機といえば、転機になる曲だなって思う。
 
A:そうだね。PAELLASの魅力をどうやったらもっと出せるのかっていうのは未だに模索しているけど、いい音楽をやってるっていう自信はつきました。元々前に出るような性格ではないけれど、色々と東京でステージを重ねるなかで、プレイヤーとしての自信もネバヤンのおかげでついてきたし。PAELLASにおける自分の役割というか、自分の色みたいなものも少しずつわかってきたところだから。
 
ー今手ごたえを感じられているんだね。個人的にPAELLASの強みってどこにあると思う?
 
A:何でもできるところかな。メンバー全員がいい音楽のリスナーだし、許容範囲も広いし。自分自身がどんなデモトラックを作っても、これはこういうルーツがあるみたいなところを理解してくれるところはあって。音楽に対する知識量の差みたいなものを感じる。それこそ、ジャスティン・ビーバーとかカーリー・レイ・ジェプセンとかも聞けちゃう感じ。こういう大衆に受けるものもきちんと咀嚼して、キャッチーなものを作りたいっていう気持ちもあるし。そういう要素を咀嚼してもPAELLASらしさって残る気がしていて。
 
M:メンバー全員のキャラとかアクも強いしね。お互いがお互いのことを『こいつ頭おかしい』みたいに思っている節があるから(笑)例えばの話、ANANがTame Imparaみたいな曲を作ってきて、じゃあそれをビッシーと俺で手を加えたら多分PAELLASっぽい曲になるみたいに思っている。
 
ーPAELLSの理想の音ってどんなもの?
 
M:踊らせたいとかはないけど、ハウスに近いリズム重視の曲を作れているから、自然と腰が揺れるような曲を作りたいって思っている。俺らの出す音ってわざわざバンドでやらなくてもできそうな音だなって思ったりしていて。それをバンドでやってしまうのが面白いかなって。
 
最近、久しぶりにメンバー全員がいいって思うバンドがいて、デンマークのLissっていうコペンハーゲンシーンのバンドなんだけど。Blood Orangeみたいなことをバンドでやっているという。構成もギター、ベース、ドラム、ピアノ、ピンボーカル、MPCっていう親近感の湧くスタイルで、親近感の湧く技術力で(笑)。あれが結構俺の中ですごい指標になったから。普通バンドでやれなかったりすることを、バンドで表現したいみたいな気持ちは強い。
 
A:そうだね。そういうことをバンドでやるってこと自体面白いし。さらにLissはポップだし。俺はソングライターとして、やっぱりポップでキャッチーなものを作れないといけないなって思っている。
 
M:ファンについてきてほしいみたいな気持ち、あんまりないかもしれないな。
 
ーないんだ(笑)『一緒に楽しもうぜ!』的なものは。
 
M:ただ現時点でPAELLASを支持してくれている人、楽しんでくれる人はホントもう全員に握手して頭下げたいくらいの気持ちはあるけどね。
 
ーじゃあ自分たちの納得のいく曲を作り続けていこうっていうところに尽きるんだね。
 
A:うん。それがベスト。いい曲作ってそれを楽しんでくれる人がいたら嬉しいくらいなスタンス。・・・曲の素材のストックはすでに60曲くらいあって、それを自分たちなりに世界のどこでも通用するものを作れば、自然と結果はついてくると思うし、道は開けると思ってるよ。

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Photo:Kodai Kobayashi